反知性に抗う法哲学

反知性に抗う法哲学

未刊

反知性に抗う法哲学

「法に触れる」とは何か

青山治城 著

刊行年月 : 2026/06/10

税込定価 : 2,750円(本体2,500円)

判 型 : 四六判・並製

ページ数 : 448

ISBN : 9784495542078

■内容紹介

誰もが「法」と無縁では生きられない
自分が無知であることを知らなければ、永遠に無知を抜け出すことはできない

ウクライナ、中東、イランの戦争
「ポピュリズム」と呼ばれる思潮の世界的な広がり
冤罪――再審制度見直し議論
インターネットとプライバシー・フェイクニュース・AI
難民問題・移民問題・地球環境の問題・国際犯罪
長時間労働・ブラック企業・非正規雇用・ギグワーク・トクリュウ

現代の国内外における「法の問題」には、社会や技術の変化に法律が追いつかないことから生じる課題が多数あり、極めて複雑で、解決困難な状態にあります。
誰もがこうした問題と無縁ではあり得ず、それは現実的には関連する「法」の問題として存在すると言えます。
にもかかわらず、私たちは、得てして「法や法律」はあらかじめ決められたルールとして、できる限り触らないように生きているように見えます。
「他人に迷惑をかけてはいけない」と親や教師に教えられ、法――法律、就業規則、コミュニティーのルール・掟(おきて)に触れないよう、違反しないよう、できるだけ無縁でいられるように暮らしているように見えます。
本書は、もちろん「犯罪をそそのかす」ものではありません。
法に大いに触れること、社会の問題を法との関連で考えてみることを勧めるものです。
世界や日本、この社会のさまざまな問題が、法との関連で理解され、動いている以上、法の問題を十分に知っておかないと、よりよく生きることはできないからです。

誰もが「法」と無縁では生きられないのだから、
法なんて関係ないと思って知ろうとしないと、
すなわち、自分が無知であることを知らなければ、
永遠に無知を抜け出すことはできません。

この「無知の無知」から脱出するための知こそ「法哲学」なのです。


すべての政治家、あらゆる法律家・法科生のための、
とりわけ普通の人々が、この「法外」な世界でよりよく生きるための実践的哲学

●著者紹介
青山治城(あおやま はるき)
1951年生まれ。麗澤大学、放送大学等の非常勤講師を経て、神田外語大学国際コミュニケーション学科教授を歴任。2023年神田外語大学名誉教授。
静岡大学人文学部法経学科卒業。筑波大学大学院社会科学研究科修了(法学博士)。専門は法哲学。
著書:『なぜ人を殺してはいけないのか 法哲学的思考への誘い』(法律文化社)など
翻訳書:ギュンター・シュルテ『ルーマン・システム理論 何が問題なのか システム理性批判』(新泉社)、アマルティア・セン『アマルティア・セン講義 経済学と倫理学』(共訳、ちくま学芸文庫)、ソフィー・ロイドルド『法現象学入門』(監修・共訳、法政大学出版局)など

■目次

はじめに:パターナリズムと法
序論:法という謎

第1部:国内法の諸問題
第1章「法」という言葉:世界の法地図
第2章 法(=言葉)ぎらいの「哲学」
第3章 法と道徳・政治
第4章 法と権利
第5章 民事責任
第6章 刑事責任
第7章 国家責任

第2部:世界法の可能性
第8章 自由と法
第9章 法と国家
第10章「正しい戦争」はあるのか?
第11章 国際法と世界法
第12章 ナショナリズムの問題:ネーションとステート
第13章 国家の論理と社会の倫理
第14章 法多元主義とアナーキズム
終 章「法の究極に在るもの」再考
あとがき